成年後見人になる前に確認しておくべきこと3つ!

  • 2021年3月23日
  • 2021年3月22日
  • 後見人
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高齢の親の財産管理に悩む方は多いと思います。親の財産管理をするために成年後見制度の利用を検討する方も多いのではないでしょうか。
しかし、成年後見制度は複雑な制度ですので、利用する前にさまざまなこと理解して確認しておかなければなりません。当記事では特に重要な3つの事項について解説します。

1.成年後見人の役割を理解する


成年後見人は多くの権限があります。財産を管理することができるため、便利になると考える方も多いでしょう。しかし、権限とともに重い義務もあるため、権利だけでなく、義務もしっかりと理解することが重要です。

(1)成年後見制度を利用する目的

成年後見人制度の利用を検討する方は何か目的があって検討されていると思います。
制度の利用を検討されている方は財産を守り生活を助けるために利用しようと考えている方が多いでしょう。この目的は必ず心得ておく必要があります。親等が高齢となり、金融機関での手続きや難しい判断ができなくなった際に子ども等が成年後見人となるケースが多くあります。親が自分で預貯金を引き出すなど、法律行為を出来ない場合、普段の生活が難しくなってしまいます。
そのような場合には、制度を利用することで、親名義の預貯金を引き出したり、財産を処分したりすることができます。
成年後見人が預貯金を引き出す際は成年被後見人のために使いために引き出します。そのため、成年後見人が自身の生活のために自由にお金を引き出して使ったり、株や債券、不動産で運用したりすることができるわけではないのです。あくまで、成年被後見人の生活や財産を守るために使うことができるものと考えてください。
また、成年後見人は成年被後見人の希望を聞いて業務をする必要があります。このことは民法にも記載されてあり、明文化された義務であるため、自分が自由に使えるわけではないということは認識しておく必要があります。

(2)成年後見人の日常業務

日々行うべき業務は数多くあります。どのような業務を行う必要があるのか具体的に確認しましょう。

①生活に必要な支払いの実施

成年後見人は生活に必要な支出を行います。生活に必要な支出とは電気、ガス、水道など、生活に欠かせないライフラインや医療や介護にかかる費用、日常の食費や日用品です。また、生活に必要な支出を行うために銀行口座に入っている預貯金を日々管理しておく必要があります。

②銀行口座など預貯金の管理

成年後見人は銀行口座等から不必要に多額の出費を行っていないか注意深く確認しておく必要があります。
成年被後見人が単独で多額の契約をした場合、成年後見人が取引を取り消すことができますので、入出金記録などを管理し、必要に応じて取り消しをする必要があります。

③後見事務報告書を家庭裁判所に提出する

成年後見人は年に1回後見事務報告書を家庭裁判所に提出する必要があります。その際に必要となるのが金銭出納帳です。
成年後見人は銀行口座の入出金記録などを管理し、金銭出納帳を作成します。金銭出納帳とは口座の入出金などを記録するための帳簿です。
金銭出納帳を日々作成しておかなければ、後見事務報告書を作成することが難しくなりますので、日頃から正確に記録しておくことが大切です。

④成年後見人は必ず介護も行う必要は無い

成年後見人は身の回りのお世話もする必要があると思われている方も多いのではないでしょうか。しかし、介護などの身の回りのお世話は成年後見人が行うべき職務とはなっていません。
特に子どもなどの相続人が成年後見人となる場合、介護の負担も大きくなりがちです。
必要に応じて他の相続人と分担をするなど事前に話し合っておきましょう。

(3)成年後見人の業務外の行為

成年後見人が行う必要がある業務についてはしっかり理解する必要があります。しかし、成年後見人が必ずしも行う必要がない業務も理解しておく必要があります。成年後見人は多くの負担があります。必ず行う必要がある業務を確実に行うために、行う必要が無い業務との線引きは行っておきましょう。
多くの方が勘違いされているのは介護や部屋の掃除などの身の回りのお世話です。成年後見人となる際は自分が行う必要がある業務と必ずしも行う必要がない業務を区別しておく必要があります。

2.必要書類を準備する


成年後見人になるためには必要書類を準備する必要があります。必要書類について解説してします。

(1)裁判所で取得する書類

成年後見人になるためには裁判所で必要書類を取得しておく必要があります。裁判所でもらう書類には以下のものがあげられます。

①申立書
②申立者事情説明書
③後見人候補者事情説明書
④収支状況報告書
⑤相続人の関係図
⑥財産目録

(2)市役所・区役所で取得する書類

成年後見人になるためには市役所や区役所でも書類を取得する必要があります。
①被後見人の住民票
②被後見人の戸籍謄本
③成年後見人の住民票
④成年後見人の戸籍謄本

(3)その他の添付書類

家庭裁判所と市役所・区役所で取得できるもの以外で準備しておくべき書類について解説します。

①親族の同意書
②収支状況がわかる書類
③診断書
④本人情報シート
(判断能力に関する書類でケアマネージャーに作成を依頼する)

3.成年後見制度のデメリットを理解する


メリットも多くありますが、デメリットも理解しておく必要があります。デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。具体的に確認しておきましょう。

(1)相続税対策ができない

高齢となった人に資産がある場合、さまざまな相続税対策を行なって相続税を圧縮しようと考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、制度を利用した方は生命保険の契約や不動産の購入など積極的な資産の活用による相続税対策は行うことができません。資産が多い方は対策を行うか否かで相続税の負担が大きく変わることもあります。
生活を守ることを目的としているため、それ以外の行為は制限されるということは事前に理解しておく必要があります。

(2)成年後見人の負担が大きい

成年後見人は日々の現金出納帳などの作成をつけるなど負担も多く、自分がその業務を継続して行えるかどうかもよく検討する必要があります。
また、長期間にわたってその業務を行う必要があることも多いため自分の年齢やライフプランも考えて職務を継続することができるか判断する必要があります。特にお仕事をしている方は負担が非常に多くなります。

(3)相続時にトラブルになる可能性も

成年被後見人は意思能力が無いことも多く、高齢のため、その後に相続が発生することも多くあります。相続人が成年後見人となった場合、亡くなった後に相続財産をめぐってトラブルになることもあります。
成年後見人となった人には重い義務が課され、様々な業務を行う必要があります。しかし、成年被後見人の財産を必ずしも多く相続するわけではありません。
相続時の財産の配分は民法で決まっており、成年後見人となった相続人がもらえる財産が少ない場合もあります。成年後見人となった相続人が多く財産をもらうためには遺言などで指定しておく必要があります。
負担が多いことは自身が一番よくわかっていますが、他の相続人は負担がいかに大きいかを理解していないことも多いでしょう。そのため、成年後見人以外の相続人は法定相続割合で相続するべきだと考え、成年後見人となった相続人と意識のずれが生じることも多くあります。
相続発生後のトラブルを防ぐために、他の相続人に業務内容を説明し、負担の大きさをわかってもらうことも重要です。また、遺産の分割については相続発生前に話し合っておく方がよいでしょう。

4.まとめ

成年後見人は責任と義務が伴います。制度を利用することで親のお金を自由に使うことができると考える方も少なくありません。しかし、実際は責任が重く、さまざまな業務を行う必要がありますので簡単に務まるものではありません。
「こんなはずじゃなかった」とならないように制度を利用する前に心構えをしておくことが大切です。
ご自身の生活環境や家族の状況も考えて成年後見人としての職務が務まるのかをよく検討してから利用するようにしましょう。

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